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自己紹介

京都精華大学 版画コースのブログです。 版画コースの授業やコース関係者の展覧会情報、様々なイベントをご紹介します。また、版画技法についても簡単な説明をしています。

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『技法』カテゴリーの投稿一覧

彼らの制作

こんにちは。
今日はお天気で気持ちよいですね〜^^

先日、大学院生の実習室を覗くと>>>


メチャ、カッコつけてる!


訳ではありません。
彼は〝メゾチント〟による作品制作をしていて、
銅版がキラキラ✧チカチカして眩しいんですねぇ^^

メゾチント:金属(主に銅板)にロッカーという器具で版全体に無数の刻みを入れたり、カッターでささくれ状態の線を作る等、版を目立てする。それにバーニッシャーやスクレーパーというの銅版画専門の道具でささくれを削ったり、ならしたりしてイメージを描く凹版画の直接技法の一つ。
細かな刻みにインクが入り、削った部分についた余分なインクを拭き去る。その部分が白く浮かび上がったような感じで刷り上がる。
✦☆✧ベルベットのような質感をもった豊かな明暗表現が特徴的で魅力✧☆✦

更に、彼が挑んでいるのは、
銅版画独特の刷り

雁皮刷り
とっても薄い雁皮(和紙)に銅版を刷ります。
そのまま版画用紙に刷るより細かいディテールをひろってくれる!
画面部分だけに和紙特有の美しい色が生まれ、グッと見栄えが良くなる!
というのが利点⚑
インクを詰めた銅版を水の入ったバットに入れ、ガンピを水中で掬い上げ、糊をのせて版画用紙(ハーネミューレをよく使う)に刷る。という行程が増えるので、雁皮紙にしわができてしまった☹なんてこともあるのです。

メゾチント、雁皮刷り⇧

こちらは

〝拓本刷り〟
版木にイメージを彫り、
和紙を当てて、タンボ(てるてる坊主みたいなもの)にインクを付けてポンポンと、色をつけていく。

彫ったところが白く抜けて、彫り残した部分に色がつくのです。
タンボの素材によって色の出方が変わったり、グラデーションが思いのまま!

これ、

ゴキブリ。
よくできてますね〜ケド、、、
嫌いなものを作ってみたものの、苦手なものはやっぱり苦手だった。。。


とある学生の机の上。
知人が制作したミニロボ

ボルトとか、ネジ、ナット等でできてますー
かわいい☺
ちょとした工具系にも親しみが沸きますね

穴が空いている

8月ももう終わり。。。
今日は「や(8)さ(3)い(1)」の語呂合わせから、野菜記念日だそうです♤
栄養たっぷりな野菜、おいしいですよね〜♡
夏に負けないよう、たくさんとりましょう!

  
  
前期授業でご紹介できなかったものをお届けするシリーズ 其の7
 
授業というか、
シルクスクリーンを専攻するゼミ生達の制作現場をご紹介★

絵の☌構成中☌
原稿を作る時、フィルムを使ったりします。
原稿はもちろん手で描いたイメージでも、

パソコンによるデジタルイメージでもどちらでも✫OK✫
パソコン処理を刷る場合、
手描きイメージをスキャニングしてからデジタル画像に置き換えたり、
そこから更に手を加えたり、
 マウスやペンで、一からパソコン上で作ったり、
いろいろできますよね。
それらを欲しい色の分だけ版を分けます。
イメージを出力したら、流動パラフィン紙を透過させ、イメージがより確実に反応するようにします。
露光機感光乳剤を塗った紗(シルクの繊維の張ってある金属枠<版>)と、原稿をセットし、
光を当てて、イメージを焼付ける

水洗い
描いた所は光が当たらないので水で流れ落ち、
その他の部分は光に反応し、液体が硬くなって、水では流れません。

 
乾燥させたら、
刷台にセッティング♙
紙の置く位置はイメージが中央に来るようにすれば言い訳です。
何色も重ねる時は少しややこしくなってきます。

1版目が刷られた紙を置き、
2版目のイメージがズレない位置を合わしていかないといけません。
見当イメージ側にトンボを付けたりするので、それが合うように。
刷ってる時にいつでも同じ位置に来ないといけないので、
(版画制作では一枚だけ刷ることは滅多になく、何枚か同じ条件で刷るから)

紙位置を決めるのです✚

紗にインクをのせ、

一旦、スキージー(ゴムorウレタン製)で画面全体にインクをのばしてから、
次に上から下へと一気にインクとともにスキージを引きインクを落とすと、
紙にイメージが刷られるのです。
「インクを落とす?」
これは紗は繊維なので細かな目が空いてますよね。その穴にイメージを通して、インクを通し、紙の上に刷るから。

2版、3版、と刷り重ねて

✬完成✬
 
この絵は、
手描き➢スキャン➢デジタル画像化➣
4色分解(CMYK)➣網点処理

という工程を辿りできたものです。
 殆どの印刷物はこの4色分解(CMYK)網点処理がなされています。
雑誌などを虫メガネなどで見ると細かいが集っているのがわかりますよ〜^^
カラーだと黄、赤、青、黒が重なってます。
ぜひ一度見てみて下さい♞

 
 
くどいようですが、
フィルムに直接、黒や遮光性の高い画材で絵を描いたものでも刷れます。

✶受験 2日目✶

AO入試 1期  ワークショップ2つ目
木版画:《木版コラグラフ》を行いました。
コラグラフとは
✷コラージュするように作る版画✷

コラージュ:台紙に表したいものを様々な素材を切ったり、ちぎったりし、貼り重ねてつくる。
木版コラグラフの場合は土台に板を利用し、彫りを加えたり、
色々な素材を張り付けたり、版材にニスやジェッソを付けたりして凹凸をつくり、
その凹凸にインクをつけて刷ることができる。

版を作る時も工夫次第で何でも取り入れる事が可能

刷る時もインクの種類や、インクを付ける方法も筆でもスポンジでも、色んなものが使えます❃
 
☝左側;ダンボール、寒冷紗 (紙、ヒモ、レースなど版材は何でもOK!)
左奥;タンポ (刷る時に使える。スポンジ、筆なども)
右手前;彫刻刀各種 (木版ならでは、彫りの調子が作れる)
右奥;はさみ、ボンド、糊 (素材を切ったり、貼ったりする際に使う。ボンド,ジェッソ,ニスはマチエールになるので色々使える)
 
この技法は一度刷ると2度と同じものを刷る事ができないも特徴の一つので、
モノプリント<モノタイプ>に分類される。
モノタイプとは
版に直接インクや絵具などを用いて描画し、その上に紙をのせて圧力をかけ、イメージを紙へと転写する版画技法。
モノタイプの「モノ」はギリシャ語のMONOS(モノス)から由来していて、「ただ一つの」という意味を持つ。

    
 
 
▼作品例▼

栗本佳典

 
黒木美希
木版画・コピーによる和紙のコラージュ
 

安田 彩
コラグラフ

✶受験✶

今日は高校野球記念日だそうです⚇
2010 第92回 全国高校野球選手権大会が行われてますね〜
連日、甲子園にて熱戦が繰り広げられ、
彼らの姿には毎年、感動がありますよね✧∗⁺
ガンバレ!高校球児!!

本学はAO 1期 入試 1日目
版画コースのワークショップ試験は<銅版画/凹版>
中でも《ドライポイント》に取組みました。
ドライポイントとは。
銅板に直接に彫るような感覚で描画する凹版技法。
基本的には先端が針のようなニードルと呼ばれる描画道具
(ダイヤモンドが付いた針などもある)を使ってイメージを刻んでいく。

エッチングでは腐蝕液を用いて版にへこみ(溝)をつくるのに対し、直接凹みをつくることから「ドライ」
尖った先端をもつ道具「ポイント」で描くので、ドライポイントという。


左:銅板
右手前から4つ:ニードル (先の形が丸かったり、平たかったり、素材が違ったり、何種類もある)
中央2つ:ルーレット (点の集合体が作れる道具)
一番奥:スクレーパーバニッシャー(版を削ったり、磨いたりする際に使用する)

特徴は彫られた線は太さや凹みの深さが均一ではなく針で描画した部分は銅が押し出され、
‘ささくれ’や、‘まくれ’などが生まれるので、
刷った時にインクが独特の“にじみ”を帯びたタッチになる。

銅版画の基礎として取り上げられることが多い。
手軽で一見、引っ掻くだけの簡単な技法ですが、
描画する際に針が版に引っ掛かるような感じを受けたり、まくれを強く出すために力が必要であったり、
金属のめくれによって刷り上がりが変化するため、
思いの外、描画も刷りも奥が深い☄☄☄

▼作品例▼

Title 踏切
Artist ベルナール・ビュッフェ


Title ドンキホーテ
Artist ワイズバュシュ

明日は2日目、木版画をします。

版素材はシリコーン

冬に戻ったようで寒〜いっ☃

皆さん、体調管理に気を付けてくださいね♖

2回生/ウォータレスリトグラフ

訳すと水なし平版

平版の代表格といえばリトグラフですが、

コレは刷り工程の時にリトグラフのように水と油の反発性を利用しないので特にそう呼んでます。

しかし!

製版工程も全く違うので〝リトグラフ〟というよりも、

平版の一種という風に考えてもらえればいいと思います。

【イメージ作り】

フィルム✒黒いペン、マジック、ダーマトグラフ、アクリルガッシュ等で描画✒

テスト原稿を透かして見てます。
「どんな描きっぷりにしよっかな〜」

【製版1】

露光機でイメージを版に感光させる

まず、原稿その上に版

「じ〜っ」

露光を待つ。

【製版2】

版に現像液を垂らし、

パット(赤くて毛羽立った道具)でやさし〜く擦る☝

徐々にイメージがくっきり現れる⚐⚐



続きはまた後日

美しさの秘訣✧*


水を通してみるモノクロ写真。

素敵ですね〜

これはゼミでレクチャーがあったバライタ焼き

バライタ紙とはファイバーベースの写真の紙

昨今の写真はRCペーパーといってプラスチックベースのタイプが多く使われてます。
イメージの現像から水洗い迄の処理が早い!というのが利点♛

それに比べてバライタ焼きは
紙の繊維に入った薬品をキチっと処理をしないといけない為、時間と手間が掛かるのです!

その分、
♕写真が良い状態で長期保存が可能♕

しかも、
✪トーンが豊かで黒の締まりが抜群✪

プリントのキレイ差がゼンゼン違う訳です!!!

現像、定止までは通常の一緒、
そのあと
第1定着➔第2定着➔仮水洗➔水洗促進剤➔本水洗


アーカイバルウォッシャー(仕切がある水洗道具) 


写真の個室みたいですね〜


水切りスクージー両面水切りします
スポンジを使う場合もあり。

ドライラックなどで乾燥

そしてまたもや❖マシーン登場❖

ドライマウントプレス機

紙は反るので、ピシッとした写真にするにはフラットニングというを作業が必要です◉◉◉

機械を事前に温め、
紙で写真を挟み


⁑プレス⁑

コレを行うことで
紙の上に塗られたゼラチン質の層が熱で光沢をおび、✧✧艶が出る✧✧のです

そして

更にカーリングを抑えるために暫く重しを置いておく。

と、✦完成✦


もっともっとプロフェッショナルな技があるのですが・・・・ 

それはまたの機会に〜

 

ココで⚑ 重大告知 ⚑

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが

2010年4月、
版画コース
は 

**゜。HANGA Webを開設 。゜**

それにともない
明日★ハンガブログ 引っ越します★

明日以降はそちらで見て頂ければ幸いです。
♧今後とも、版画コース、よろしくお願いします♧

いつもと違う

今日は版の裏表いつもとひと味違う表現を感じる木版画技法を紹介します。

<裏彫り法>

右の色だけがついた版木を刷ったのですが、刷れたものには模様ができてますよね。
版木には何も彫ったあとがないのに不思議〜◈

なぜでしょう?


コレ▲さっきの版木の裏面

表は何もしていませんが裏面にイメージを作ってありました。

版木の裏面を彫刻刀などで彫り、表面に色(インク)をつけ、

プレス機で圧力をかけると彫った部分は圧力が抜け、
インクが紙に写らないという仕組みになっていたのです!!

表面にイメージを彫った時と違って
✰彫り跡の輪郭が柔らかくできるのが特徴✰

似たようなやり方で
<針金法>というのもあります。

これは、版木には何も手を入れません
針金や、金属質のものを使って、イメージを浮かび上がらせる技法。

種も仕掛けもない板の上に
針金などでイメージを作り、それを置きます。
そこへインクをつけた板を重ね
その上に紙を置き、

更にまたまた種も仕掛けもない板をのせ、プレス機で圧力を加えると、
針金のイメージ部分だけ紙に刷れるというもの。

この方法だけで作品を考えるのは少し難しいかもしれませんが、
他の手法と組み合わせると不思議な印象の作品になりそうですね✦✧

もう一つ、
<陰刻法>

黒い紙(墨汁で染めてます)に白のガッシュ(絵の具)で刷ったもの。

もちろん白以外の色も使えます。
普段は白い紙に刷ることが多いのですが、
黒い紙を使うと絵の具の発色も変わって、
☉☉すこし年季の入った風合いのものになりそうですね☉☉

✦応用すると一版で多色刷りもできます✦

誰でもできる✧*

4年に一度の冬の祭典、オリンピックが始まりましたね☃
日々アスリートの方々の活躍を目にします。
✧✧メダルはとれなくてもその姿はカッコイイですよね✧✧

今日は久し振りに牧野ゼミのレクチャーを紹介します。

最も誰でもができると言っても良い手法
<紙版画> 
版も凹凸を作るのも全て紙
イメージのカタチをハサミやカッターで切り取ったり、手でちぎるなどをし、
版となる台紙に糊で貼付けていきます。

版紙を切り抜いてもOK!

土台となる版紙はできるだけ厚手のものが良いです◎

油性インクローラーでのせる

バレン(木版などに用いる摺る為の道具)でも摺れますが
今回はプレス機の強い圧力しっかりくっきりイメージを起こします。

✷こんな感じにできました✷

紙くらいの厚みでもイメージはあらわれます◉◉
ただ、同じように何枚も摺るのは難しい。
耐久性には弱いのです。。。

⇧コレは凸版刷り(版のでこぼこの凸部分にインクをのせて刷る技法)

次は紙版画の凹版刷り(版のでこぼこの凹部分のインクを刷る技法)

先程と同じようにまずインクをのせ、

そのあと、凸部分のインクを拭取ります。凹んだ部分にだけインクがついてる状態になります。
そのあと、プレス機で刷る

⇧紙版画で使った道具と、デモ用の凹版刷の版と作品

✬凹版刷りの方がイメージのカタチが紙を重ねて作った部分の様子もよく出ています✬

インクを拭取りつつ、インクが隅々まで行き渡るように詰めているからです✦

'09の出来事 

今日から‘仕事始め’という方も多いと思います。
本学は明日5日から授業再開です。

皆さん、お正月は如何でしたか?
下宿している学生は実家に帰って久々にご家族や地元の友人とゆっくり過ごせたでしょうか?
特に遠方からきている学生達はのんびりできたかな???

本日は09秋にありました
☆✯大阪信愛女学院高等学校の生徒さん✯☆との

  模擬授業(高校生が大学に来て、実技授業を体験するというもの)の様子をお届けします。
場所はもちろん版画コース。@プレゼンテーションルーム
指導講師は牧野先生
授業内容はかた〜い木を輪切りにした版を彫る木口木版画
信愛女学院高等学校を卒業し、版画コースに入った学生がアシスタント♧
懐かしい高校時代〜を振り返りながら後輩達楽しそうに談話しています❤
高校の先生模擬授業に参加☆
みんな集中して制作してます。
いよいよ版を摺ります☝とても楽しみです♬
♛出来上がり♛
みなさんはじめてとは思えないできばえでした!

点の集合は面

2回生/銅版画基礎で行う
アクアチントをご紹介します☝
アクアチント⚐
先表現のエッチングに対して、点の集合によって、繊細な色の濃淡を面的に表現できる 技法。
銅板に面表現したい部分以外をグラウンド(腐食防止剤)を塗り、
松やにを細かくパウダー状にしたもの(これも腐食防止剤)をアクアチントボックスに入れる。

このボックス:
箱の中に松やにの粉を入れ、空圧で粉を舞い上げます
そこに銅板を入れ、落ちてきた粉を版で受け止め均等に振り掛ける

ことができるのです☆

❖機械がなくても松やにの粉を布の袋などに入れて、銅版に振りかけてもOK!

何分このBOXの中に入れて置き、
次は粉を版の一部とするための作業をします。

版の下から熱で松やにを溶かし定着させる。
白い部分が✧松やにパウダー✧が版にただ乗っている状態✦
茶色っぽく見えてる部分は松やにパウダーが溶けた証拠✦

溶けた松やにパウダーが乾燥したら腐蝕する。(腐蝕液の中に銅板を投入)

松やにの粉で作った面には、点と点の間に隙間ができ、そこから剥き出しの銅版が腐蝕され、
サンドペーパーのような面が腐蝕
されます。
濃淡は腐蝕の時間で加減します★

⬆こんな感じ⬆

この作品は一版だけではできてはいません。異なる版を重ねてできてます。
授業では4版4色(黄色、赤、青、黒)の多色刷りに取り組みました✧
また、版はエッチングとアクアチントなどを組み合わせてつくってます。

銅版の多色刷りの場合

4版を一気にインクをのせておき、
順番に(だいたい色の薄い順)
そして一気にに刷り重ねて、
上のような作品になるのです✪✪✪

だから、こんな風に2.3人分の作品だけでも
ドバッとインク待ち・刷り待ちの版が並んじゃいます。

◭まず黄色を刷ったら紙をのけずに
黄色の版と同じ場所に赤の版をおいて、(イメージがズレないよーに)
黄色が刷れた紙をかぶせて、

プレス機を回し、
次は赤から青に変えて、・・・
という感じに同じ行程を4回行うのです✯

「はぁ〜。やっとできたぁ」
完成して嬉しい半分お疲れモードなのでした。。。
10/26-ラインエッチイング>、<11/11-ソフトグラウンド>もどうぞ!